個展 "greenscape × 九州百景" 2021

2021.10.26 - 11.15

"greenscape × kyusyu scenery" @TAGBOAT GALLERY 阪急men's Tokyo 7F


2020年、成田市「ふわりの森によるArt Pool Project」に参加し、町の歴史や文化に触れながら、その土地特有の風景をもとに作品をつくり出していくという体験は、自分の中の何かを大きく変えました。

この思いをどう膨らませていこうかと考えていた今年、九州宮崎のアートレジデンスからお誘いをいただき、この機会に訪れてみたかった九州各地の国立公園を巡ってみようと21日間に及ぶ旅を始めました。


思うがままに、ただひたすらにまだ見ぬ風景を探していく毎日。

はじめて訪れる地で新たな感覚を掴むように、出会う壮大な自然の景色とこの感覚を記録しておきたいと夢中でシャッターを切り日記として言葉を綴りました。


“目の前の景色の中に身をゆだねていくと、ほんの少しの光の変化で世界は色を変えていくのがわかる”

(2021.5.22)


“土地の色、匂い、山々や樹々がつくり出す特有の形に色によって風景の輪郭がつくられる。亜熱帯の樹々が放つ少し乱暴で深い緑も、点在する島々も。まるで生き物のように。”(2021.7.19)


強く優しい九州の風景と向き合ううちに、どんなにシャッターを切っても心を揺らした風景の全てを写し取ることは出来ない、私が今見ているままには映らないことに気づきました。

私自身が見たいように見ているだけなのかもしれない、と。

それは落胆すると同時にひとつの応えのようなものを含んでいました。


四角く切り取られた写真の中のいくつかの景色は、アトリエの中で私の記憶を呼び起こし、旅した場所へと再訪させてくれます。それは旅の中で出会った風景、写真という媒体となった風景、私自身に気憶されている風景。この三者の間を行き来することであり、キャンバスに浮かび上がってきた風景は、もう特定の場所を示すことが出来ない。「どこでもないどこか」であり、浮かび上がるこの風景こそが絵画となる。


これは、「浮かび上がる風景を探す旅」の記録です。